クチナシってご存じですか?
クチナシは東アジア、特に日本(静岡以西)、台湾、中国に自生する植物です。中国最古の薬物書である神農本草経では中薬(中品)に分類されており、少なくとも1700年以上の歴史ある植物と考えられています。
日本では古くから栗の甘露煮や郷土料理の黄飯に用いられています。近年では食品添加物の着色料用途として使用されており、クチナシ果実に含まれるクロシン・クロセチンを主成分としたクチナシ黄色素、クチナシ果実に含まれる生薬成分であるゲニポシドからつくられるクチナシ赤色素、クチナシ青色素の3種類が存在しています。またこれら3種類の色素を混合し、緑色・紫色を含めたカラーバリエーション展開が可能です。
クチナシ色素製剤使用
アイシングクッキー
特徴
クチナシ黄色素
- 熱に対して比較的安定です。
- 光に対して中性~アルカリ性域で比較的安定です。
-
酸性~アルカリ性域で使用可能です。
(但し酸性域では耐光性が低減します。)
クチナシ赤色素
- 熱に対して比較的安定です。
- 光に対してやや不安定です。
- 弱酸性~弱アルカリ性域で使用可能です。
クチナシ青色素
- 熱に対して比較的安定です。
- 光に対して比較的安定です。
- 酸性~弱アルカリ性域で使用可能です。
表示例
クチナシ黄色素
- カロテノイド色素
- クチナシ色素
- 着色料(クロシン)
クチナシ赤色素クチナシ青色素
- 着色料(クチナシ)
- クチナシ色素
無着色
濃厚チーズ風
(クチナシ黄色)
抹茶風
(クチナシ青・黄色)
ぶどう風
(クチナシ青・赤色)
クチナシ色素のカラーバリエーションで理想の色を
月刊フードケミカル2021年2月号に「食品の緑をおいしく」というテーマで寄稿させていただいております。