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- 食品添加物について
今日の食生活の中で私たちが求めているのは、“安全で" “美しく"
“おいしく" 食べられることではないでしょうか。
加えて、アクティブな生活を支える“手軽さ"も必要とされ、活動内容に応じて必要な食品が手に入る生活を求め実現しています。その食生活を支え、欠かせないものが食品添加物であると考えます。生活の中で身近にあるのにあまり知らない、そんな食品添加物についてご説明します。
食品添加物の定義
食品を加工したり、保存したりするときに使う調味料、保存料、着色料などを、まとめて食品添加物といいます。その大本となる法律は「食品衛生法」ですが、その中で食品添加物は
「食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するもの」
と定義されています。
食品添加物とは
食品安全基本法
食品の安全性の確保について基本的なことを定めています。
内閣府食品安全委員会
食品添加物を含め、食品の安全性を調べる機関として食品安全基本法に基づいて設置されました。
食品衛生法では
食品添加物とは、食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するものと定義されています。
食品衛生法上の分類
日本では、食品添加物の安全性と有効性を確認して厚生労働大臣が指定した「指定添加物」、長年使用されてきた天然添加物として品目が決められている「既存添加物」のほかに、「天然香料」や「一般飲食物添加物」に分類されています。
今後新たに使われる食品添加物は、天然、合成の区別なく、すべて食品安全委員会による安全性の評価を受け、厚生労働大臣の指定を受けて「指定添加物」になります。
食品添加物
指定添加物(446品目) | 厚生労働大臣が指定した添加物 |
---|---|
既存添加物(357品目) | いわゆる天然添加物 |
天然香料(約600品目) | 植物、動物を起源とする香料 |
一般飲食物添加物(約100品目) | 通常食品だが添加物として用いられるもの |
役割からみた分類
食品添加物の効果は、風味や食感を変えたり、保存性を付与したり様々です。
それぞれの効果は、下表に示す使用目的分類で表現されます。
甘味料 | 食品に甘味を与える | ガムベース | チューイングガムの基材に用いる |
---|---|---|---|
着色料 | 食品を着色し、色調を調節する | 香料 | 食品に香りをつけ、おいしさを増す |
保存料 | カビや細菌などの発育を抑制し、食品の保存性をよくし、食中毒を予防する | 酸味料 | 食品に酸味を与える |
増粘剤
安定剤 |
食品に滑らかな感じや、粘り気を与え、分離を防止し、安定性を向上させる | 調味料 | 食品にうま味などを与え、味をととのえる |
酸化防止剤 | 油脂などの酸化を防ぎ保存性をよくする | 豆腐用凝固剤 | 豆腐を作る時に豆乳を固める |
発色剤 | ハム・ソーセージの色調・風味を改善する | 乳化剤 | 水と油を均一に混ぜ合わせる |
漂白剤 | 食品を漂白し、白く、きれいにする | 水素イオン濃度調整剤 | 食品のpHを調節し品質をよくする |
防かび剤(防ばい剤) | 輸入柑橘類等のかびの発生を防止する | かんすい | 中華めんの食感、風味を出す |
イーストフード | パンのイーストの発酵をよくする | 栄養強化剤 | 栄養素を強化する |
その他の食品添加物 | その他、食品の製造や加工に役立つ |
食品添加物の目的
食品の製造や加工のために必要な製造用剤
食品添加物は多くの加工食品に使われています。豆腐を固める役割を持つ「にがり」 なども食品添加物の一例です。
食品の風味や外観を良くするための甘味料、着色料、香料など
かまぼこに紅白があるように、見た目をよくしたり、食欲をそそる、風味を持たせるなどの目的で食品添加物は使用されます。
食品の保存性を良くする保存料、酸化防止剤など
食品の製造に関わる上で、食中毒は最も気をつけなければならないことの一つです。食品添加物の一つである保存料は、食中毒の原因となる微生物の繁殖を抑えます。また酸化防止剤は、食品中の油脂などの酸化を防ぎ、変色・変敗臭や発がん性の可能性がある過酸化物などの生成を抑えたりなど、"安全"においても食品添加物はなくてはならないものです。
食品の栄養成分を強化する栄養強化剤
食品を調理・加工する上で、栄養成分が減少することもあります。この栄養成分を強化・補填する目的で使用されます。
安全性に対する考え方
食品添加物は、厚生労働大臣が指定して使用できるようになるものですが、そのためには安全性の評価が不可欠となっています。
食品安全基本法によって、食品添加物の指定には必ず食品安全委員会が行う「食品健康影響評価」を経なければなりません。
そこではリスク評価が必要で、安全性評価試験として行われる毒性試験をクリアしなければなりません。これにより認められたものが規格基準の設定を経て指定を受けることができるのです。
また、指定を受けて実際に食品への添加が行われて流通するようになってからも市販流通品の監視が行われ使用基準の設定によって適切に使用されているかをチェックされます。
このようなリスクコミュニケーションによって食品添加物の安全な使用が成り立っています。