工業用抗菌剤 「ビオサイド®TB-B100」
特性
- 一般社団法人抗菌製品技術協議会(SIAA)に登録された安全性の高い製剤です
- 浸漬処理や光照射処理を実施した場合においても高い抗菌性を有しています
- ウイルス(ネコカリシウイルス:ノロウイルス代替ウイルス)に対しても有効です
性状
外観 | 白色~淡黄色粉末 |
比重 | 2.1 ~ 2.5 |
水分 | 5%以下 |
安全性
急性 経口毒性 | LD50 >2,000 mg/kg(ラット) |
皮膚一次刺激性 | 刺激反応を認めない PII=0 |
変異原生 | 陰性 |
皮膚感作性 | 陰性 |
最小生育阻止濃度
試験菌 | 最小生育阻止濃度(MIC) |
---|---|
大腸菌 | 200ppm |
黄色ブドウ球菌 | 400ppm |
(当社調べ)
試験方法:
ビオサイド®TB-B100を任意濃度添加した寒天平板培地に大腸菌及び黄色ブドウ球菌の菌液を塗抹し培養後、菌の発育が阻止された最低濃度を最小生育阻止濃度とした。
抗菌効果
抗菌とは「製品の表面における微生物の増殖を抑制すること」です。微生物が物質表面に付着しても、ある一定の時間しか生育することができない、又はそれ以上増殖できなくすることによって、細菌にとって生育し難い環境にすることを指します。
抗菌性試験データ「JIS Z 2801:2012」
JIS Z 2801は試験片上に菌液を接種し、24時間後に無加工品と抗菌加工品の生菌数の差を評価する試験方法です。
(当社調べ)
添加対象:低密度ポリエチレン樹脂
SIAA耐水条件(耐水区分2):2mL/cm2の水量で水温50±5℃で保持し、18時間浸漬
SIAA耐光条件(耐光区分2):キセノンウェザーメーターで放射照度60W/m2で100時間照射
抗ウイルス効果
ビオサイド®TB-B100は細菌に対する効果だけでなく、ウイルスに対しても不活化効果を有しています。
ウイルスとは…
他の生物の細胞に感染し、その細胞の力を借りて自己複製します。カプシドと呼ばれるタンパク質でできた殻と遺伝情報を司るDNAやRNAの構造体を有しています。また、存在するウイルスの内、80%程がエンベロープと呼ばれる脂質膜やスパイクタンパク質という突起状の構造を持つことが知られています。
(当社調べ)
ウイルスの構造 | 代表的なウイルス | |
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ノンエンベロープウイルス |
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エンベロープウイルス |
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抗ウイルスとは…
医療分野と工業製品分野では抗ウイルスに対する解釈が異なっており、工業製品分野においては「製品上の特定のウイルス数を減少させること」と一般社団法人抗菌製品技術協議会(SIAA)にて定義されています。
抗ウイルス試験データ「ISO 21702 プラスチック及び非多孔質表面の抗ウイルス活性の測定方法」
ISO 21702は試験片上にウイルス液を接種し、24時間後の無加工品と抗ウイルス加工品のウイルス感染価の差を評価する試験方法です。
(当社調べ)
試験検体:ポリプロピレン樹脂板に本剤を添加した水系アクリル樹脂を8g/cm2となるように塗布し、
120℃で1分間加熱して乾固したものを供試試料とした。
供試ウイルス:ネコカリシウイルス(ノロウイルスの培養方法が確立していないことから、ノロウイルス代替ウイルスとして使用されています。)
接触時間:24時間
用途
樹脂形成品
台所用マット、エラストマー、エアコンフィルター、ウレタン発泡品、ウレタン成形品、包装用フィルム etc.
建材
内装用シート、壁紙用コーティング剤、塗料 etc.
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